時間帯別相場の動き

ハイローに限らず、FXなどの為替取引をやるうえでも、頭に入れておくと役に立つのが時間帯による為替の動きである。「為替は時間帯によって動き方が違う」ということを、耳にしたことがある人も多いのではないだろうか。ハイローをやるうえではトレンドを判断することが重要だが、こういったトレンドが変わる可能性がある時間を知っておくことで、有利に取引をできることがある。

 

 

為替(ドル円目線)に関する重要な時間の一覧

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 基本的に為替に限らず相場は、買いたいと思う人が多ければ上がり、売りたいと思う人が多ければ下がっていく。そのため、市場参加者が変わると買いたいと思う人と売りたいと思う人のバランスが崩れ、大きく動きだすことがある

 また、大きな節目のイベントがあるときは、その節目に向かって上がるだろうと予想する人と下がるだろうと予想する人が仕掛けてが交錯し相場の動きが激しくなるのだ。こういったトレンドが発生しやすい時間帯には安易な逆張りは危険なので注意して欲しい。

 こういったトレンドが発生したかどうかを見極める際に、どういう時間帯なのかを知っておくと便利である。それでは、節目の時間帯を下にまとめて。(重要度はドル円目線です。)

時間 重要度 内容 説明
9:00 ★★★ 東京株式市場前場
オープン
日本の株式市場が始まる時間。この時間から株式の売買が始まり、それに伴う為替取引も活発になる。そのため、9時以降のしばらくは上下に激しく動くことが多くなる。
9:55 ★★★ 仲値公示 この時間に当日の為替取引のレートが決まる。そのため、この時間に実需筋の注文(輸入に関連したドル買いが多い)が活発になる。また、この時間を過ぎるとそれまでの動きの反動が起きることがある。
10:30 上海株式市場
オープン
中国の株式市場の動き。普段はあまり気にすることはないが、中国発の経済リスクが意識される場合など、株式市場が大きく下げるきっかけになることがある。
11:30 ★★ 東京株式市場前場
クローズ
日本の株式市場の午前の取引が終わる時間。午前の取引を手仕舞いを注文が集中し、為替レートも引っ張られて動くことがある。
12:30 ★★ 東京株式市場後場
オープン
日本の株式市場の午後の取引が始まる時間。この時間からは外国人投資家の参加も多くなり、新しいトレンドが生まれることがある。
15:00 ★★ 東京株式市場後場
クローズ
日本の株式市場が終わる時間。取引を手仕舞いする注文が集中し、為替レートもそれに引っ張られて動くことがある。
16:00
(夏時間)
17:00
(冬時間)
★★★ 欧州株式市場
オープン
ドイツフランス為替市場オープン
ヨーロッパの株式市場が始まる時間。また、ドイツ・フランスの為替市場も開くため取引参加者が増え大きく動き出すことがある。
16:30 ★★ 東京先物市場ナイトセッションオープン 日本の先物取引の夜間立会が始まる時間。先物にからむ注文が集中するため為替が引っ張られて動くことがある。また、先物に仕掛け的な動きが生じた場合、為替も一方方向に動き出すことがある。
17:00
(夏時間)
18:00
(冬時間)
★★ ロンドン為替市場
オープン
ロンドンの為替市場が開くため取引参加者が増え大きく動き出すことがある。
22:30
(夏時間)
23:30
(冬時間)
★★★ ニューヨーク株式
市場オープン
アメリカの株式市場が始まる時間。それに伴う為替取引も活発になる。特に、ドル主導で相場が動き出す時間帯である。
23:00
(夏時間)
24:00
(冬時間)
★★★ ニューヨーク為替
市場オープン
ニューヨークカット
通貨オプションの執行価額が決まる時間。オプションの設定価額における主に投機筋の取引が活発となり、レートが激しく動く。時間を過ぎるとそれまでの取引の反動が出ることがある。
24:00
(夏時間)
25:00
(冬時間)
★★★ ロンドン
フィキシング
金などの現物取引が盛んなロンドン市場で金のスポット価格が決められる時間。この価格は市場で重要な指標とされるため、この時間を目指して取引が活発となる傾向がある。その影響もあり、特にドルを中心に為替相場が動くことがある。
24:30
(夏時間)
25:30
(冬時間)
ヨーロッパ株式市場クローズ ヨーロッパの株式市場が終わる時間。取引の手仕舞い注文が集中し、為替レートもそれに引っ張られて動くことがある。
27:00 東京先物市場ナイトセッションクローズ 日本の先物取引の夜間立会いが終わる時間。先物にからむ手仕舞い注文が集中するため為替が引っ張られて動くことがある。
29:00
(夏時間)
30:00
(冬時間)
★★ ニューヨーク株式
市場クローズ
アメリカの株式市場が終わる時間。取引の手仕舞い注文が集中し、為替レートもそれに引っ張られて動くことがある。

アメリカ・ヨーロッパでは夏時間には1時間時計を進め、冬時間は1時間時計を戻す。そのため、日本時間で見たときに夏時間のときと冬時間のときでは1時間ずれてくる。冬時間から夏時間への移行は3月中旬頃、夏時間から冬時間への移行は11月上旬頃に行われる。


経済指標の発表でも大きく動く

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 ハイローをやる上で規則的な動きをしているときは予想がしやすいが、突発的な動きを予想するのは難しくなる。前述の時間帯も、規則的な動きの流れが変わりやすい節目として説明した。

 これ以外にも突発的な動きをするものがあり、それが経済指標の発表である。大きな指標であれば、その発表に向かって市場全体が大きなトレンドを作っていることもあるため、それを欠かすことはできない。

 経済指標は色々なものがあるので、この記事内で網羅することはできないが、以下のサイトなどでどのような経済指標が発表される予定なのかを事前に確認することができる。まずは重要度の高い指標をおさえて、それにともなう相場の動きのクセを見極めるようにしていくと良いだろう。

jp.investing.com

 

活発に動くときはハイローは避けるべきか

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 結論から言うと活発に動く時間帯でも取引は可能である。逆によく動く分、レートが極端に偏りやすいためエントリーはしやすいかもしれない。

 ただ、逆張りメインでエントリーする人はこの時間帯に連敗したのであれば、注意したほうが良いだろう。連敗の原因がトレンドの発生である可能性があり、そのままエントリーし続ければさらに連敗が重なることがあるため。

 慣れてくれば、これらの節目をうまく利用できるようになってくるはずだ。意識しながらレートを見ていると思わぬ発見があるかもしれない。

 ちなみに、ハイローオーストラリアをやるのであれば、活発に動く時間帯はスプレッドハイローをやるべきである。スプレッドハイローは通常1.8のペイアウト率が2.0になる取引だ。

 その代わりに、エントリー値と判定値に値幅(スプレッド)が用意されている。しかし、相場が活発にうごく時はスプレッドはあまり影響してこない。スプレッドハイローは時間帯によってはとてもお得な取引であるため、ぜひチェックしてみて欲しい。

 
 

重要ラインを見極める

為替取引に限らず株式取引などでもそうだが、市場で行っている取引関係者が意識している重要なライン(値)を把握しておくことが取引をするうえで重要である。短期で取引を行うハイローでもこれらのラインを知っているうえで取引を行うことで、勝率を上げることができるのだ。今回はそんな重要ラインの見極め方や、重要ラインをめぐる取引方法について解説していく。

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重要ラインをめぐるよくある動き

 重要なラインというのは端的に言うと注文が分厚くたまっているレートのことだ。例えば売り注文が厚くたまっているレートはちょっとした買いがはいってレートが上げて来ても、たくさん溜まっている売り注文が買い注文によって消化されるだけで簡単には抜くことができない。このレートを抜くためには、溜まっている全ての売り注文を超える数量の買い注文が必要となる。

 逆にこの溜まっている売り注文を抜くだけのレートの上げがあるということは、それだけ買いの勢いが強いということなのだ。売りがたまっている重要なラインを抜くと一気にレートが上がることが良くある。これは重要ラインを背中に逆張り勢が一定の値を超えるとあきらめて手仕舞いすることにより、勢いがつくからである。図で示すと次のようなイメージである。

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 重要なラインというのは、その重要度(たまっている注文量)や買いの勢いによって異なってくるが、イメージとしては抜けるよりも跳ね返される確率のほうが高い。特に重要度の高いラインだと何度も何度も同じレートで跳ね返されるというようなこともある。

 ハイローをやるうえでは値幅は関係なくどちらに動くかの確率が重要になって来る。そのため、重要ラインを使って逆張りをするというのが、ハイローをやるうえで最もポピュラーなやり方と言える。ただし、何かの理由があって勢いが出ているときにこの考え方で逆張りをすると負けてしまう。勢いの強さを判別するには勢いが出やすい時間帯や、リアルタイムで注目されているニュースを意識しておくことをオススメする。

 

天井と底を使って重要ラインを見極める

 さて、重要ラインをめぐる動きを利用するためには、重要ラインがどこにあるかを見極める必要がある。市場で取引を行っている人はこの重要なラインを見極めるために、チャートを使ってテクニカル分析をしているのだ(友人もそうである)。色々な考え方があるが、資金ベースで多数派が使っているテクニカルが一番有効に機能しやすい、と僕は考えている。そのため、時間帯によって市場参加者が変わってくる(特に短期の)為替取引においては、時間帯ごとに機能しやすいテクニカル指標も変わってくるということがある。したがって、自分が取引する時間をできるだけ一定にして、その時間の動きによく効くテクニカル分析を身につけることをおすすめする。

 前置きが長くなったが、ここでは最も基本的となるチャートを使った重要ラインの見極め方を紹介する。このサイトでは相場の波というのを強調しているが、波には天井と底が必ず存在している。この天井と底というのは、相場の流れが一度跳ね返された場所であるので、結果的に重要なラインである可能性が高い。重要なラインであるということは、今後もまた同じ場所で跳ね返される可能性が高いということになるのだ。また、同じ場所で何度も跳ね返っているというレートは、より重要度が高い可能性がある。チャートを見て天井と底を見つけ近いレートが天井や底になっている場合は、そのレートはより重要と言えるだろう。

 ちなみに、この分析は長い時間足でも短い時間足でも有効であるが、長い時間足のほうがより確度は高くなってくる。短い足で見極めた重要ラインはあっさり抜かれる可能性が高いのだ。そのため、短期で取引をする場合にも長い足を使うというのは重要になる。(重要ラインを見極めるためだけでなく、大きな流れをつかむのにも有効。)


短期の重要ラインと長い足でのトレンドを常に意識する

 重要ラインを見極めることによって、常に現在の上値の抵抗ラインと下値支持ラインが明確に見えてくるはずだ。そして、そのどちらを破ってくる可能性が高いのか、というのをより長い足のトレンドから把握していく。長い足でのトレンドに逆らわず、短期の重要ラインを使って逆張りをしていく、というのがひとつの戦略としては分かりやすい。

 今回は天井と底から重要ラインを見極める方法を説明したが、移動平均一目均衡表ボリンジャーバンドといったテクニカルはこの重要ラインを見極めるために使うものである。自分(の取引時間)に合ったテクニカルを見極め、それを極めていけば勝率は自ずと上がっていくのではないだろうか。

 

逆張りと順張り

相場の世界において最も単純にエントリー方法を分類すると逆張り」と「順張り」に分けらる。これらの基本的な使い方と、ハイローにおいてどのような局面でそれぞれを使っていくべきかについて解説していく。

 

逆張り、順張りとは

 逆張りとは相場が上げているときに売って下げているときに買うという流れに逆らったエントリーをする方法のことである。逆に順張りとは相場が上げているときには流れに乗って買い、相場が下げているときには流れに乗って売るというエントリー方法だ。これらはどちらが正しくてどちらが間違っているというものではなく、相場や取引によって使い分けていくものである。

 これは結構人によって好みが分かれるものであるため、ハイローをやる上では自分が入りやすいエントリー方法を選んでいくと良い。そのうえで(特に短期のハイローについて)どういうスタイルで取引していくほうが勝率が上がるのかについて考えていく。

 

トレンド発生時は順張り、レンジ時は逆張りが基本

 短期のハイローをやるうえで、相場にトレンドが発生している場合、順張りをするのと逆張りをするのではどちらのほうが勝率が高いだろうか?これはもちろん、トレンドに乗って順張りの考え方でエントリーしていったほうが勝率は高くなってくる。しかし、ここで大事なのは相場の波には色々な周期がある故に、トレンドにも色々な周期があることを理解しておくことだ。そして、ハイローの判定時間の長さに合ったトレンドにおいて順張りをしていくことが大事になってくる。

 たとえば、5分ごとに判定時間が到来するハイローをやっている場合に、5分周期で上げと下げが来る小さい波と60分周期にジワジワと上げる大きな波が混じった相場の場合、5分周期の波に乗って順張りをしてもすぐにトレンドは変わるため勝率は高くならないだろう。トレンドに乗るならば60分周期の波に乗って、順張りの買いをしたほうが良いのだ。そのうえで、5分周期で下げきったタイミングで入ることができると、さらに勝率は上がる。このように、ハイローの判定時間の長さに比べて長めの周期のトレンドには乗って、短い周期のトレンドには逆張りをしていくというのが、ハイローでは一番オーソドックスな戦略になってくる。

 逆に大きな波のトレンドが発生していないような場合はどうしたら良いだろうか。トレンドが発生していないというのは、上がっては戻り下がっては戻りという状態だ。この場合は値がすぐに戻るのですから逆張りをしていったほうが勝率は高くなる。こういった状態をレンジといいますが、トレンド発生時とレンジのときでは戦略は変えたほうがいいということになる。


大事なのは相場の現在の状況を見極める力

 ハイローでは相場の状況によってエントリー戦略を変えていく必要がある。つまり勝率を上げる上で大事になってくるのは、今現在がトレンド発生しているのかレンジなのかというのを見極める力である。そのためには日ごろからチャートを見ておく、波を見極めるというところが大事になってくる。

レンジ取引での小技

今回は先ほどの記事に関連して、ヨコヨコの展開のレンジ取引で使える小技を紹介したいと思う。簡単に言うと両建ての手法で、トレンドが発生しておらずほとんどヨコヨコの状態、取引も閑散としており値動きが少ないときに使える方法である。

 

両建てでリスクが大きく軽減

 両建てとは「買い」と「売る」といった逆のポジションを同時に持つことである。ハイローにおいて両建てをするというのは、HIGHの予想とLOWの予想を同時に持つことを指す。ハイローで同じ判定時間の取引で、うまい具合に両建てのポジションを取れるとリスクをかなり減らし、リターンを倍増させることができるのだ。

 例えばレンジの動きをするなかで、レンジ上限近くでLOWを、レンジ下限近くでHIGHを入れることができた場合、判定時間に相場がレンジを大きく抜けることがなければ、一気に2勝することができ2倍の利益を獲得することができる。そして、判定時間にレンジを抜けてしまったとしても、2つ持っているポジションのうちどちらか一方は勝っているため1勝1敗ということになり、損失もかなり少なくなる

 ハイローにおいて両建てはかなり有効な手法である。

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ヨコヨコのレンジのときが両建てチャンス

 このようにうまく両建てポジションが取れると、リスクを抑えることができリターンを倍増させることができるため、かなりオイシイ。ただし、いつでも両建てが使えるというわけでもなく両建てには向いている相場と向いていない相場がある

 例えば、トレンドが発生しており一方方向に動く相場の場合はうまく両建てポジションを持ったとしても、片一方は負ける可能性がかなり高くなってしまう。両建てに向いているのはトレンドが発生していないレンジ内で動くヨコヨコの相場になる。そして、同一判定時間までにレンジの上限と下限にタッチしないと両建てポジションは持てないため、比較的相場の波のサイクルが短い取引が閑散とした時間帯のほうがチャンスは多いと言える。時間帯による相場の特徴を理解しておくと両建てをしやすい相場がいつ来やすいか読むことができるようになる。時間帯別相場の動きの特徴は、以下を参考にしてほしい。

iijyan141-high-low.hatenablog.jp


両建てもあるということを頭に入れておく

 うまく両建てをすることができるとオイシイという説明をしたが、それほど両建てに適したチャンスが頻繁に来るわけではない。そのため、両建てばかりを狙って取引をすると、せっかく相場を監視しているのに取引ができずに終わってしまうということが多くなる。両建てはチャンスが訪れれば迷いなく実行すべきであるが、そればかりを狙うのは取引機会が少なくなるという意味で好ましくない。

 両建てというやり方もあるのか、というくらいに頭の片隅に置いておくというのが1番だろう。また、両建て狙いの場合は、相場が閑散になりやすいときを狙って相場監視をするなど、ある程度戦略を持っていく必要がある。上手に使えば有効な手法であるので、ぜひ実践してみてほしい。

 

初心者でも簡単!レンジ取引

トレンドが発生している状態とトレンドが発生していない状態ではどちらがハイローでは取引しやすいだろうか。人それぞれ好みがあるので絶対とは言えないが、トレンドが発生していないレンジ状態でも取引がしやすいのがハイローの特徴である。FXではトレンドが発生していないと値幅が取れないため取引がやりにくいのと違い、ハイローではトレンドが発生していなくても利益を伸ばせる。今回は初心者でも簡単にできる、トレンドが発生していない時にハイローで勝つための手法を紹介したいと思う。

 

トレンド発生していないことを見極める

 まずはトレンドが発生しているかどうかを見極めることが大事である。トレンドが発生しているときにトレンドが発生していないときの手法を使うと大変なことになるかもしれないからだ。見極める方法としてはいくつかあるが、まず始めに僕自身、見るのが分かりやすかったボリンジャーバンドの広がり方を紹介する。チャートでボリンジャーバンドのテクニカルを使用して、5分足(短時間ハイローのとき。何分足を適用するかは判定時間までのスパンにより変わってくる)でボリンジャーバンドが広がっているときはトレンドが発生する可能性が高くなってくる。狭まっているときはトレンドが発生していない可能性が高い。

 また、ボリンジャーバンドのミドルが一方方向に傾き続けていないことも確認する。一方方向に傾いている場合はジリジリと動くトレンドが発生している可能性が高くなる。

 次に、時間帯をチェックをしよう。市場参加者が変わるタイミングや何かイベントがある際にはトレンドが発生しやすくなってくる。時間帯の特徴をつかんで、トレンドが発生しやすい時間帯でないことを確認しておく。時間帯の特徴については前記事を参考にしてほしい。

iijyan141-high-low.hatenablog.jp


レンジを見極めて取引をする

 トレンドが発生していないと判断したら次はレンジを確認する。トレンドが発生してないときはレートはヨコヨコに動くので、上がれば下がる、下がれば上がるを繰り返し、一定のレンジの範囲内で動くことが多くなる。そのレンジを見極めることができれば、勝率の高い取引ができるようになる。

 レンジを見極めるために、過去のレートの動きを長めに見てみる。ハイロー業者提供のTickチャートだけでは限界があるため、ローソク足チャートが見れるサービスを使い5分足などで長めにレートの動きを確認し、どの範囲内で動いているか確認する。

 レンジを見極めることができたら、レンジの上限近くではLOWを、レンジの下限近くではHIGHを注文するということを繰り返していく。これだけで、トレンドが発生していないヨコヨコのレートではかなりの勝率が出せるはずだ。場合によっては両建てすることも可能なのだ。


注意点はレンジを抜けたらすぐあきらめること

 トレンドが発生していない状態はいつかは終わる。この手法を使うときに気をつける必要があるのは、ンジを抜けたらこの手法をすぐにあきらめることである。トレンドが発生し始めているのにこの目線で取引を続けると、トレンド発生状態で逆張りをすることになり、勝率はどうしても低くなってしまう。


タイミングを待つことが大事

 こういった相場は狙って出てくるものではない。こういった相場に出くわしたときに見極めて逃さないことが大事になるのだ。比較的相場が閑散として取引が活発ではないようなときにヨコヨコ相場は訪れやすいため、「もしかしたらくるかも」というくらいの気持ちで頭の片隅においておくと良いだろう。そして、この相場が来るとかなりの取引量を出せ、勝率も高いため非常にオイシイ状況なのである。

 

勝率8割でも連敗する理由

ハイローでは連敗をすると資金の減るスピードも速いが、何よりも精神面で厳しい状況に置かれるようになってしまう。僕もそうであるが、連敗が続いている人は何をやってもまた負けてしまうのではないか、という心理状況になりがちである。ハイローでは何よりも連敗を避けることが重要なのだ。これは、マーチンゲール戦略でも然りである。しかし、たとえ勝率が8割の人でも連敗は起こってしまう。というより、初心者の人よりも中級者のほうが連敗が続きやすい傾向すらあるようだ。なぜ、こういうことが起こるのだろうか?

 

中級者のほうが連敗が続きやすい理由

 中級者は相場にも慣れてきて、自分のスタイルというのが確立されてきているだろう。その反面、経験がそれほど長くないために限られた相場しか経験しておらず、相場の変化に弱いということも否めない。その結果、特定の相場状況では強さを発揮するけれど、それ以外の相場では弱いという状態が起こりやすいのである。また、スタイルが確立されているため、安定したエントリーができるが、それが相場の変化によって安定的に負けるという結果を生んでしまうことがあるようだ。

 そのため、取引に自信がついてきている人でも2連敗あるいは3連敗した時点で、一度、冷静になってみて「自分のスタイルにあった相場ではないのではないか」ということを考えてみる時間を取るほうが無難である。そして、自分のスタイルにあっていない場合、合った相場が来るまで待つ、ということが重要になってくる。たとえば、逆張りスタイルの場合はトレンドに弱い。もしトレンド発生が原因で負けているのであれば、トレンドがおさまるまで待つことが大事になるのである。


定型的な連敗パターン

 基本的に逆張りを得意とする人はトレンド発生したときに、「もうここで止まるだろう」という考えのなかでエントリーをして負けることが多い。そして、時間的に長いトレンドが発生したときにこの思考でエントリーをし続けると、ビックリするくらい勝てないはずだ。また、負けを取り返すために早く勝ちたくなるため、熱くなって逆張り自体が浅くなる傾向がある人も多い。トレンド発生時に浅い逆張りをすると、より勝てる確率は少なくなってしまうのである。

 逆に、順張りを得意とする人はレンジのときに、「そろそろレンジを抜いてくるだろう」という考えのなかでエントリーをして負けることが多い。レンジの上限、下限に近づいたときにそれらを抜きそうな動きが出たときに、ついついのっていってしまい、結局跳ね返されて負けてしまうというパターンだ。レンジが長く続いてしまった場合にこの思考を続けていると、いつまでたっても勝てないということになる。

 連敗が続いているときは熱くなってしまい自分の思考に執着してしまい、なかなか悪循環から抜け出せないことがある。連敗をしたときは一度「熱くなってないか?」と自問自答してみる習慣をつけてみると良いのではないか。


熱くなっているのはデータで分かる

 ここからは僕の経験談になるが、マーチン戦略そして、基本的に逆張り狙いでのエントリーを中心に行っている。そのため、トレンド発生時に連敗をしてしまうということが多い。その時の思考を分析してみると、重要ラインを抜いて一気に上げたとき、我慢しているつもりでいても浅い逆張りをやってしまっていたんだと思う。これだけ、動いたんだからそろそろ戻すだろう、という思考だ。また、逆張りが得意なのに、ここでエントリーせずにレートが戻っちゃったらもったいない、という思考もあったはずだ。

 取引をやっている以上、連敗は発生してしまうものであるが、僕の友人の場合はデータを見たことによって冷静さを失わないことを意識することができるようになったという。何がきっかけになるかは分からないが、データをつけるのはひとつの方法だと思う。全ての人が、連敗したときに自分を見失わない方法を見つけておこくとをオススメする。

 

連敗時の対処方法

ハイローで熱くなると連敗が続きやすいということを前回記事で説明した。つまり、熱くなってはいけないということだが、頭で分かっていても連敗が続いているなか冷静になるのは難しいものである。それでは、連敗が続いてしまっているときにどう対処したらいいのか考えてみよう。

 

冷静さを取り戻すためのルール

 熱くなっている頭をその場で冷やすのはなかなか難しいものだ。なので、あらかじめ連敗が起きたときの対処方法をルールとして決めてしまうことをオススメする。そのルールに従うことで痛手を負わずに連敗を乗り切れる可能性が高くなるはずである。ここではそんなルールのいくつかを紹介してみよう。

①いったん間を置く

 これが間違いなく一番良い方法だと思う。いったん取引をやめチャートを見るのもやめて、気持ちがリセットできてから取引に戻るというものだ。1時間くらい休むというのでもいいし、今日は取引をやめて次の日に気持ちを新たに再開する、というのでも良いのではないか。時間がたてば随分と冷静に取引にのぞめるようになるはずだ。

 そして、あらかじめ間を置くことにする連敗数を設定しておく。僕の場合は3回連続で負けたらちょっとおかしいぞ、ということで間を置くようにしているが、このあたりはその人の資金管理方法にもよって変わってくるはずだ。この方法の難点は、負けた状態でしばらく時間を置かなければならない為、意外と実践できる人が少ないということだ。しかし、有効な方法であることは間違いないので、是非取り入れてみて欲しい。

②小額取引に切り替える

ひとつめの方法がどうしてもできないという人にはオススメの方法である。負けた状態で取引をやめるのがどうしても嫌だ、という場合はいったん小額取引に切り替えて自分のペースを取り戻すまで取引をしながら待つ、というものである。小額取引では儲けは小さいが、損失も小さい。これにより熱くなった状態でも損失を抑えることができる。また、熱くなって早く取り戻したいという気分になっている人でも、小額でも取引をしていれば意外と気持ちは満足するものなのだ。変に大きな額を頭が熱くなった状態で取引するのと比べて、リスクを格段に抑えることができる。

 

③取引する通貨ペアを変更する

 連敗が続いているときというのは自分の相場観が実際の相場と合っていない場合である。そのため、同じ通貨ペアで取引を続けると負けが続く可能性が高く、全く別の通貨で相場観をゼロから作り直すほうが良い結果になることが多い。ただ、取引する通貨ペアを固定にしている人も少なからずいるはずなので、そういう人が連敗中に無理に初めての通貨ペアに手を出すというのはこの方法はオススメしない。

 

熱くなっていることを自覚できるように

 熱くなったときの対処方法をいくつか挙げてきたが、とにかく大事なことは冷静さを取り戻すことだ。ハイローをやっていれば、どんなに上手い人でも連敗というのは避けて通れない道。大事なのはそのまま熱くなってしまうか、自分のペースを取り戻せるか。冷静になって自分のペースを取り戻すために、上述したルールを参考に自分ルールを作っておくのをオススメしたい。

 ハイローでよくある負けパターンが、しばらく勝っていて「もう大丈夫だ」と思った頃に連敗して冷静さを失った取引をしてアッという間に資金がゼロになってしまうというもだ。普通の取引をしていればこうはならないことが多く、かなりもったいないと思う。連敗時の対策をあらかじめ作っておいてそれを実践することで、このパターンの負けは避けることができる。これがハイローで最終的に勝つ人の大きな要素なのだ。